週に一度、集中する為、スタバで記事を書こうとお店へ。季節限定のさくらドーナツを発見し、これは食べないと後悔すると思い、美味しく頂くことに。
その後、ノートパソコンを開くと一面のニュース欄に、イチロー選手の写真と、『イチロー、マリナーズと合意間近か』の文字が。胸がいっぱいで、お店の中で泣きそうになりました。
イチロー選手の去就は、誰もが気になっていたこと。みんなのヒーローが最後に行く場所は、古巣のシアトルマリナーズであってほしいと願っていました。
出身は同じ愛知県。野球が大好きだった私は、甲子園の予選、愛知県大会がローカルテレビでやっている時から夏は始まっていて。
愛工大名電は、野球で名門の高校で、名電が甲子園に出られたら期待できると、地元の人達は思っているところがありました。春の選抜で、ピッチャーのイチロー選手が、大きな記録を残すことなく敗戦し、がっくりしていた姿を、ぼんやりと覚えていました。
それから、オリックスにドラフト4位で入団。200本安打を打ち、日本中が注目する選手になった時、あの選手だったのかと、何とも言えない嬉しさがこみ上げたことを覚えています。
地元の熱狂的中日ファンだったので、オリックスに行った選手のことはよく分かりませんでした。でも、インタビューであどけない表情を見た時、頭の中で繋がる感覚があって。
鈴木一朗選手が、イチロー選手に登録名を変え、阪神大震災後の神戸に、希望を乗せて打ち続けた200本安打は、まさしくヒーローでした。
少年のような笑顔はそのままで渡米。シアトルマリナーズに入団し、ひげを生やしてバットを構える姿を見て、大柄の選手に負けない、負けたくないという威厳を感じました。その後、数々の記録を残し、誰からも愛されるバッターに。
第一回目のWBCの世界大会では、日本の選手として出場。誰よりも悔しがり、喜び、仲間と野球を楽しむ姿が、感動を呼びました。日本を離れても、日本の野球や仲間が好き。なぜなら、それがイチロー選手の原点だから。お父さんと小さい時からバッティングセンターに通い、高校野球を経験し、プロに入り、それを支え応援してくれる方達がいて、プロの厳しさを目の当たりにしてきた場所だから。
そのことを大切にしているということが、WBCで感じられ、またメジャーに戻る姿が逞しくもあり、寂しくもありました。
やっぱり世界のイチローなんだ。
移籍し、敵地で対戦しても、マリナーズのファンはスタンディングオーベーションで温かく迎えてくれました。その後、球場の外に出たファンが言ってくれたひと言に胸が熱くなって。
「We need you.(私達はあなたを必要としている)」イチロー選手が築いてきたのは、記録だけじゃない、もっと心に深く残るものなのだと思います。
古巣に戻ったイチロー選手は、世界中の人達の夢を、バットに乗せて運んでくれる。
安打数よりももっと大きなものを。