自分と向き合う

ワクチン二回目の接種が昨日行われ、こなきじじいが乗っているかのような倦怠感に今朝襲われたのですが、少しだけ軽くなったのでパソコンに向かうことができました。でも、ふわふわしているので、グダグダの内容になった時点で書くのをやめようと自分に言い聞かせることにして。

外交的なHSPであることをぼんやりと自覚して以来、自分には社交的なところと内向的なところ、それでも内側にあるのはやっぱり繊細な部分なんだろうなと冷静に思うようになりました。そのバランスをうまく取れたら、もう少し楽になるのだろうけどこれがなかなか難しい。
大学図書館で働いていた時に声をかけてきた夫。随分前にこの内容を書いた気もするのですが、この人は私の何かを勘違いしていると思ったので、二人でカフェをした時に私はやめた方がいいですと伝えさせてもらいました。彼が気に入ってくれたのは、カウンターで誰にでも笑顔で優しく振舞う明るい司書の私だと思ったから。何年も経ち、その時の直感が何も間違っていなかったことに気づいてしまうなんてね。結婚して初めての喧嘩だったかな、「俺が仕事から帰った時に“お疲れさまでした”の言葉がない。」と言われた時は驚きました。温かくいつも立てる妻でいないと、夫の機嫌は悪くなってしまうのかなと。
いろんな思いの中で姉に伝えると、沢山の気持ちを返してくれました。「2時間で1万を稼ぐ人だっているの。下積み時代があったり、色んな働き方があるし、彼はSが成功したらしたで面白くないと思うよ。」「うん。でも、外に出るとみんなが優しくてね、それでバランス取れているのかなって思う時もあるんだ。」「外の世界でハッピーなら、それだけでいいんだよ。Sを大切に思う人達はみんな同じことを思うよ。わざわざ内側で辛い思いをしなくてもいいって。R君のことを考える気持ちも分かる。でもね、お母さんが自分の為に我慢をしてくれていたって後から知るのも悲しいよ。妹のことを傷つけておいてお前が言うなって話だけど、Sを傷付ける人は私が絶対に許さない。」姉の色んな気持ちがまっすぐに届き、堪らない思いに包まれました。卵巣に腫瘍が見つかり、がんである可能性の数値も出ていたのに、三つも見つかって結果的に良性。その時何か強い力が働いたようにも感じていました。時間が経ち、ようやく分かった気がして。それは姉を孤独にさせない為だったのだと。再会して、心の中で彼女の手を握った時絶対に離したらだめだと思いました。せっかく闇から連れ出せても、手を離したらきっと姉は元の暗闇に戻ってしまう。姉を私が見送る為に、おばあちゃんが助けに来てくれたのかもしれないなと。それぐらい姉の心はどん底にいました。私が心から笑うこと、それは姉のハッピーにも直結することなんだろうな。

幼少の頃にいつも大事にしていた沢山のぬいぐるみ。姉が複雑な気持ちで妹の様子を見ていたのだとようやく分かった今、懐かしい記憶が蘇ってきました。姉が大阪の女子寮に行き、父とゲームセンターへ遊びに行った時のこと。「お姉ちゃん、大阪で、一人で頑張っているから、寂しくないようにミッフィーのぬいぐるみをUFOキャッチャーで取ってね。お姉ちゃんうさぎ年だし。取るまで帰らないよ!」と私がうるさいものだから、半笑いしながら何度も挑戦し、頑張って取ってくれました。後日、確か郵送したんじゃなかったかな。その後、女子寮に遊びに行くと、ミッフィーがズデッと頭から落ちていて行き倒れを発見。「ミッフィー!!」と抱きしめ、テレビ台の上から落ちたのが分かりました。仕事から帰宅した姉に飾ってくれていたんだねと話すと、「頭がでかいからよく落ちるんだよ。」と笑いながらも嬉しそうにしてくれて。「それね、お父さんがUFOキャッチャーで頑張って取ってくれたものなの。お姉ちゃんが寂しくないようにね。」そう言うと微笑んでくれました。あの時の姉の心境はどんなだったのだろう。上手に愛情表現できない人だけど、お父さんね、お姉ちゃんに頑張れっていう思いを届けたかったんだと思う。いつかこの球を投げられる日がきたらいいな。

姉にも私にも子供ができ、幼稚園に行き始めた頃、電話をかけてきてくれました。「幼稚園の役員で一緒のお母さんね、元CAだったの。なんかすごいショックだった。こんな話Sにしかできなくて。プライドの高い私がこういう弱さを見せられるのは妹だけ。」「お姉ちゃん、ずっとCAを目指して頑張っていたもんね。でも、グラウンドスタッフのネネちゃん、とっても格好良かった。私には飛んでいるように見えたよ。」そう言うと言葉を詰まらせ、沢山の想いがこみ上げてくれているようでした。
息子が一年生の時にさんすうのプリントで時間があったからと、あひるさん達に色塗りをして持って帰ってきました。一匹だけ色が違ったので聞いてみると、「最近生まれたから。」と教えてくれたのですが、今になってそれが『みにくいアヒルの子』(アンデルセン童話)をイメージして描いたことが分かりました。病院の待合室で何度も何度も読み聞かせ、息子が大好きな絵本が心に残ってくれていたんだろうなと。「かわいくないって言われたアヒルさんが、綺麗な白鳥になったんだよ。お母さんこの話が好きでね。」「ボクも好き!」私も飛べるかな、白鳥になれるかな。その為には心の重しを取らないと。いつか翼を広げて飛ぶことができたなら。