日々を大切に

天気のいいゴールデンウィークに、また息子とズーラシアへ行ってきました。1年前、二人で行った時は周りのご家族が気になってしまったものの、今回は自分達の世界を楽しみ、一緒に過ごした時間の濃さに助けられたようでした。息子の心の声が今回は聞こえなくて。疲れた~。暑い~。ちょっとお腹空いた~。そして、楽しかった!実際に表に出てきてくれた言葉が、彼の本心なのだと思うとほっとしました。子供らしくいてくれること、自然体でいてくれること、そんな中でもやはりどこかで息子の気遣いもあり歩いてきた道のりを感じました。二人からいつか一人へ。その時は、胸を張って歩き出そう。

ネネちゃんと二人でカフェをした時、伝えてくれました。子育てをしていると、どうしようもなく辛い時があったのだと。親になり、自分だったら絶対にこんなことを言ったりやったりしないのにと、昔のお母さんを何度も思い出してしまったと話してくれました。Sちんはどうかとも聞かれて。息子が気圧の影響で強い頭痛が発生する時、途轍もなくぐずってしまう時がある。その時わーっとなる状態が、お母さんが訳分からなくなった時を思い出させて苦しくなる時が本当はあるの。でも、言葉にはしませんでした。姉は、子供時代の話をする時声が震えていたから。彼女の中に怒りや悲しみの感情が渦巻いていて、越えようとするのだけどまだ越えられない自分がもどかしくて、そんな時に妹の苦悩を聞いたら、また刃を持ってしまうような気がして、言えませんでした。妹をこれ以上傷つけるな、Sの優しさを都合よく使うなといつもどこかで刃を構えてくれていました。その怒りの感情は、その刃はどれだけ姉の心も傷つけていたかと思うと、もう二度と持たせてはいけないと思い、逆に自分を守る盾を持ってもらいたくて違うことを伝えることに。「ネネちゃんとちょっと視点が違うのかもしれないけど、自分が言われて辛かったことを子どもに言うのはやめようとか、一歩外に出たらお手本になるようなお母さん達もいて、そんな母親を目指そうと思っているよ。まだまだだけど、少しだけ変われたような気がしてね。自分の人生、大切にしたいなって思った。Rが言ってくれたの。おばあちゃんは火星人だって。話が通じないんだよ。だから、こっちが悩むのはもうばかばかしいって。一緒に笑っちゃって救われたよ。」そう話すと、大爆笑してくれました。R君、本当に大人だなと。息子も、小さい頃のネネちゃんと同じように、私を守る為に刃を持った。もうそんな思いをさせたらいけない。甥っ子(息子)の言葉が伯母さん(姉)を助けていたらいいな。

北京オリンピック準決勝でエラーをされたG.G.佐藤さん。敗戦後、3位決定戦のスタメンは外されるだろうと思っていたものの、星野監督は彼の野球人生をだめにしたくないと思い、スターティングメンバーに入れたそう。すっかり自信を無くしてしまっていたG.G.佐藤さんは、3位決定戦でもエラーをしてしまい、チームは4位となりとんでもない苦しみの中にいました。それでも、あたたかい西武のファンに助けられ、その後のことが気になりちょっと調べてみることに。すると、星野監督に手紙を送っていたことが分かりました。返事はなかったとのこと。その後、北京オリンピックで主将を務めたヤクルトの宮本慎也さんとオープン戦で合流。星野監督と会っていた宮本さんは、G.G.佐藤さんに伝えてくれました。「星野さんからの伝言だけどな。あのことは気にしなくていいから、自分の野球人生を全うして、野球界に貢献しろと言っていたよ。」その言葉を聞き、胸が熱くなったG.G.佐藤さん。星野監督の想いが、言葉が、彼に届いて本当に良かったと心から思いました。そのような形でメッセンジャーを務めてくれた宮本さんは、最後の最後まで主将でいてくれたような気がして堪りませんでした。G.G.佐藤さんの中で、星野監督は生き続け、届けてくれたその優しさと深さをこの先も持って歩み続けるのだろうと、言葉がこんなにも重みを持つのだと彼の気持ちが返ってきて本当に感無量でした。もうひとつのストーリー、本筋とは違う所で涙を堪え、助けられ、歩んでいる人を応援したい、その人が流す滴に今まで沢山の力をもらってきたような気がしています。裏側で連携プレーを見せてくれた宮本さんにもありがとう。

そんな星野監督が胴上げをされ、優勝を決めた楽天の球場に行きたくて、夏の旅行の予定を立て始めました。ホルモン治療を再開した場合、自分の体調がまた悪くなるかもしれない、それでも、息子がまだ私と旅行に出かけたいと思っている間に連れて行きたくて。東日本大震災が起こった街、そこで復興を遂げたその底力を感じに行きたいと思っています。オーストラリアから1日遅れでようやく関空に帰国、その後南海電車に乗り、新大阪から新幹線に乗った時、流れてくる車内の表示から、震災の被害の数字や状況が次々に分かり、胸が潰れそうでした。今度は、息子を乗せて東北新幹線へ。2013年生まれの息子は何を感じてくれるだろう。自分が届けられるものを総動員して、彼に伝えようと思います。
待っててね、仙台!!