たった10分

この間の家庭訪問は、バタバタしながら帰宅し、ぼさぼさの髪の毛を整えていたら息子が帰宅。おやつを食べたいというセリフを制止し、先生が来るからLEGOで遊んでいてとお願いすると、さすがにおとなしくしてくれました。

担任の先生が来訪し、ダイニングテーブルで対面。子育ても終わった母親の先輩でもある先生は、雰囲気が柔らかく、そこにいてくれるだけでほっとしました。学校での様子を聞くと、いつもニコニコしていて、本当に穏やかな子ですよということ。あらあら。なんだか年少の時から、4年連続同じようなことを言われている気がします。このままなんとなく、のほほんと育っていくのかな。「でも先生、自宅では私に甘えてくるので、本人なりに結構バランスを取っているようです。宿題やっていても、隣で怒ってます。」とちょっと暴露すると、笑って伝えてくれました。「メリハリがあって、それはいいですね!」という先生のビッグスマイル付き。自宅ではお利口さんではないことを、逆に安心してくれたよう。たった10分で、何が話せるだろうとドキドキの部分もあったのですが、蓋を開けてみると、驚くほどの安心感をもらった気がしました。よく分からない不思議なパワーです。大丈夫ですよって言われることって、どうしてこんなに人を安心させてくれるのだろう。

今日は、カフェに行ったのですが、なぜか最近気持ちがざわついていて、思い切ってそこから抜け出し、10分程サイクリングをしたら帰りたくなくなり、息子の帰宅時間が迫っているのに、シェアオフィスに転がり込んでしまいました。1時間のみの利用もできるので、ふらっと立ち寄りたい時も本当に有難い空間です。いつもとは違う受付のおねえさん、やっぱり綺麗だなと見とれていたら、またICカードをかざさず入ろうとしてしまい、笑われてしまいました。お決まりのボケになりそう。入室すると、仲間がいたいた。気持ちがかさついていたから、なんだかすごく嬉しくて。人の存在に助けられる。会話がないのに、助けられたような気持ちになるのは、どこかでやっぱり図書館に似ているからかな。

ここに来る途中、横断歩道の向こう側で、同じ小学校に通う、同じ幼稚園出身の女の子のお母さんに会い、向こうから大きく手を振ってくれました。私と話したそうにしてくれたのですが、ジャケットを羽織り、ちょっと急いでいる雰囲気も感じ取ってくれたようで、そのままバイバイ。ほんの一瞬でした。それでも、なんだか会うといつも嬉しそうにしてくれる、隠れた友達です。プレ幼稚園からの付き合いで、深く話したこともなければ、連絡先も知りません。それでも会うと、「元気?お疲れさま~。」と明るく声をかけてくれる、さっぱりとした人。人との関わりを、前ほど大切にしなくなったのではないかと、ふと思う時があって、そんな友達に会うと、もっと面と向かって話す時間を持ちたいなと、反省する日々。遠回りをして、自転車を走らせて良かった。

以前、父と母が二人でカップラーメンミュージアムに行き、自分で作れるカップラーメンに絵を描いたものを持ち帰り、父の作品を見た途端、泣きたくなりました。そこには、父が採用された旧都市銀行のマークが描かれていたから。それは、合併前の、父が大切にしている沢山の思い出が詰まった場所でした。その話は、数分では語れない。
ゆっくり、時間をかけてここに書いていくことにしよう。