見つけたもの

息子の野球は、2か所ある練習場所の1つが、ワクチン会場の駐車場になってしまい、月に2度の練習に。そして、日曜日に雨が降って休みが重なった影響もあり、すっかりやる気を無くしてしまいました。「明日野球あるの?」「久しぶりにあるから楽しんでおいでよ。」「え~、やだ~。」「休みが多くなると面倒になる気持ちも分かるよ。でもね、Rが野球をやっているとみんなが頑張っているねって褒めてくれるよね。1年生の担任の先生やクラスのみんなも応援してくれて、きっと嬉しかったと思うんだ。本当に嫌だったらお母さんも無理に行かせないよ。でも、そんな感じに見えないし、明日はお母さんも練習を見に行くから。」そう言うと、あっさり納得してくれました。本当にいやならママがキャッチしてくれる、だからもう少し頑張ってみるよ、そんな息子の気持ちを感じ、お互いが安心して眠りにつきました。息子との心理戦は、まだまだ続く。

翌朝、文句も言わずにユニフォームに着替える姿にほっとし、後で行くからねと約束して、お見送り。そして、年少の時から仲良くなったチームで一緒のS君のお母さんから久しぶりにグラウンドで会えないかと連絡が入っていたので、快諾し、予定通りに向かうねと出かけ前に改めて連絡を入れると返信が。『なぜか洗濯機の周りが水浸しで、遅れちゃったらごめんね~。』という何とも言えない彼女らしい言葉に微笑ましくなりました。もうね、会う前から可愛らしさ全開。
そして、先にグラウンドに着いて、息子の様子を見ていると、コーチとのキャッチ―ボールもそつなくこなし、低学年の試合ではホームランも打って、休憩の時間には寄ってきてくれる友達もいて、何が不満なんじゃ!と突っ込みたくなりました。学校での集団生活を頑張り、日曜日の野球まで集団生活で気疲れする気持ちも分かる、でもね、そこに何とも言えない心地よさもあるよね、それを自分のものにしてくれたらいいな。今は漠然としているだろうけど、大変さの中にある嬉しさってきっと価値あるものだから。こちらの考え方を押し付けるのではなく、彼が自分の中に落としどころを見つけてくれたらいいと、秋の曇り空の中で思いました。

そんなことを思っていると、ふんわり感満載の友達が登場。コロナ禍になり、色んな気持ちの中で生活していた彼女の苦悩を聞いた後、伝えてくれました。「私ね、休校以来誰とも会っていなくて、なんだか気持ちがずっと沈んでいて、子供達を守らなきゃって神経質になったり、そんな自分にも嫌気がさしていたんだ。でも、今日本当に久しぶりにSちゃんに会えてもやもやした気持ちを吐き出せて、心が楽になったよ。いつもありがとう。」重たい曇り空から小雨が降り、そして、雲が薄くなっていった天気と連動して、彼女の内側が軽くなっていくのを感じました。みんながそれぞれの悩みを抱え、乗り切ろうとしているんだよね。こちらこそありがとう。そして、別れ際に伝えてくれました。「R君、とっても優しいし、芯がしっかりしているんだよ。それってね、SちゃんがいつもR君に本を読んできたからじゃないかなって、本から沢山のものを得られるよね、二人からいつもそんなイメージを感じるんだ。」なんだかぐっときました。自分自身の評価は低くても、見ていてくれる人はいて、こんな温かい言葉をかけられ、ここまで来られたのかなと、彼女の真っ直ぐな優しさに励まされたようでした。「Sちゃんの心、きれいなんだよ。時々、びっくりする時があるんだ。」そんなことを伝えてくれるあなたの心が綺麗なんだよといつも思う。私はね、一部分がきっとまだ排水しきれていなくてどろどろな所がある、でもだからこそ悩み、伝えられるものがあるなら、とことん時間をかけようと思っているよ、そんなことを思いながら笑顔でお別れ。年少の終わりがけ、隣の席になった彼女に勇気を出して話しかけてから繋がった縁。小学校が別々になり、誰とも仲良くなれないけどSちゃんがいてくれるからそれでいいと今回も笑ってくれました。彼女のそんな強さに、何度元気をもらっただろう。

息子が、持ち帰った漢字の小テスト。私に見られないよう、こっそり自分の部屋に隠しに行く姿に気づいてしまいました。私に見つかると直しが発生するのが面倒だったよう。それでも、半分ぐずりながらやり遂げた数日後、夏休みに出された宿題から漢字の100問テストが出され、点数を隠し寄ってきました。「ママ、あまり点数が良くなかった。」「いいのよ。見せられる?」そう言って見てみると、96点の数字が見えて、一緒に大喜び。「これはね、Rが夏休みに頑張って漢字練習をやった結果なの。でもね、点数が悪くてもお母さん怒ったりしないよ。一番悲しいのは隠されてしまうこと。宿題の後に漢字の直しって面倒だと思う。でもね、そこで頑張ったことってきっと次に繋がると思うんだ。同じ問題が出た時に書けたら嬉しいよね。お母さん、Rとそんな喜びを一緒に味わいたいよ。」そう言うと目に涙を溜めて頷いてくれました。勉強の内容を教えているというよりかは、勉強の仕方を教えている、そのことにいつか気づく時はくるのだろうか。第二次反抗期が来て、親離れをして、自分一人で頑張る時が出てくる。そんな時に、ふと蓄積された時間を思い出してくれたなら。
「ただいま~。ママ、今日ボク、二回もホームラン打ったんだよ!」「え~、二回目は見逃した!」「S君のお母さんと話していたからね~。」ああごめんねと思いつつ、息子の表情が行きよりも生き生きしていることに気づいて。ホームランを打ち、ホームに戻ってきた彼を仲間が満面の笑みで迎えてくれました。「R、やったな!」自分のことのように喜んでくれるその瞬間をどう思う?今感じたその気持ち、それはきっとあなたの宝物になる。