意外な好み

よく天気予報などを見ていると、たまに映し出されるスカイツリー。どうしてもそれがドラゴンボールに出てくるカリン塔に見えてしまい、てっぺんにはネコのカリン様が実は住んでいるのではないかと未だに思い込んでいる今日この頃。そして、その下で聖地のカリンを守っている、戦士ボラの息子ウパが大好きでした。ボラが敵に殺され、「父上~。」とウパが大泣きした時、それを見ていた悟空が「ドラゴンボールを集めて生き返らせてやるよ。」と。このシーンを子供の頃に見た時、私にはなかなかできないなと、同時に二人に芽生えた固い友情のようなものが素敵だなと思いました。様々な敵と戦いながら、必死に7つ集めたなら自分の為に願いを叶えたかったりする。その選択をせず、小さなウパの為に交わした約束。小さな悟空がめちゃくちゃ格好よく見えた瞬間でした。ひたむきなウパ、お父さんを蘇らせてもらえて良かったね。うちの息子は、そんなウパのように、筋斗雲に乗れるだろうか。

高校3年の卒業後、一人で行った父の実家、佐賀からの帰りの新幹線。自由席に乗り、荷物が多く、上の棚に乗せようとしたら重くて「乗らない・・・。」と呟きながらなんとか乗せてほっとして座った途端、窓際に座っていた大学生らしき男性がこちらの様子を気にしているのが分かりました。「慌ただしくてすみません。」と小さく謝ると、「いや、お手伝いできたらと思いながらタイミングを逃してしまって・・・。良かったらコーヒーでも飲みませんか。」と言われ、慌ててしまいました。いえいえ、お茶があるので大丈夫ですとやんわり断ると、テーブルに置いた博多駅で買った駅弁に気づき、「こちらのことは気にしないで食べてくださいね。」と気遣ってもらったものの、話をした男性の隣で、一人で食べるのも抵抗を感じてしまい、せめてサンドイッチにすれば良かったと後悔しました。なんとなくお茶をすすっていると、さりげなく話しかけられて。「お仕事ですか?」「いえ、高校を卒業したばかりです。妙に落ち着いているので年が上に見られるんです。大学生さんですか?」「そう、大学6年生。」??「どうしても映画の道に進みたくて4年生を3回やったの。さすがにもう卒業だけど。」監督には程遠いけど、いずれ自分の作品を撮ってみたいということ、そのスタートラインにようやく立てたこと、大学生活思う存分楽しんでほしいということ、色々な夢や希望を嬉しそうに語ってくれました。これは駅弁を食べている場合じゃなかったよ。「次は名古屋~、名古屋です。」というアナウンス。あれ?もう着いてしまったの?お互いがなんとなく残念に思いながらのお別れ。「いい映画を作ってくださいね。」「ありがとう。これでもかっていうぐらい大学生活を楽しんでね。」そう言い合い、新幹線から降り、発車するのをホームで待っていました。笑顔で手を振ると、同じように振り返してくれて。いい旅をありがとう、そして、これからのお互いの未来にエールを。窓越しから伝わる気持ちに自然と涙が溢れそうでした。
改めて思い出してみると、仲良しのKちゃんと同じ大学だったことが判明。それだけでも嬉しい。何かが、本当に小さく繋がっているだけで、胸がいっぱい。

新幹線に乗って、関西や東北へ行きたいと思いながらも、なかなか行けないもどかしさの中で、来年の1月17日、阪神大震災が起きた日は日曜日だということが分かりました。神戸には行けなくても、渋谷の代々木公園へ行くことはできる。体調が崩れやすい時期なので、まだなんとも言えませんが、都合がついたら夜の5時46分に震災の集いへ出向けたらと思っています。今日通りがかった花屋さん。本当に鮮やかな花束が沢山ありました。いつか神戸の街に行くことができたら、色々な花を束ねたとびっきり明るい色を選ぼうと思います。震災は昨日のことのよう。あの一日さえなければ。そう思いながらも懸命に前を向いている方が、ポッと温かい気持ちになるように。